ホトトギス
全長は約28cm。頭部や背は灰色、翼や尾は黒褐色、胸と腹には白地に黒の横斑があり、アイリング(目の周り)は黄色です。雌雄はほぼ同色。
毎年5月ごろ、日本に渡来する夏鳥の渡り鳥で、秋には南へと渡ります。春のウグイスと並び、夏を告げる季節の初音として夏の季語になっています。山口素堂の俳句「目に青葉 山ほととぎす 初鰹(はつがつお)」(正しくは「目には…」)は特に有名です。
子育ては自分で行わず、主にウグイスの巣に卵を産み、ヒナを育ててもらう「托卵」の習性があります。
鳴き声は「キョッキョッ、キョキョキョ」と特徴的なさえずりをします。
聞きなしは「特許許可局」(トッキョキョカキョク)、「テッペンカケタカ」(天辺かけたか)、「ホンゾンカケタカ」(本尊かけたか)などがよく知られています。
織田信長の「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」、豊臣秀吉の「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」、徳川家康の「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」の句に登場する鳥としても知られます。
漢字表記は杜鵑、鵑のほか、杜宇、不如帰、蜀魂、時鳥、子規、郭公、霍公鳥、沓手鳥、田鵑など多数。
卯月鳥(うづきどり)、文無鳥(あやなしどり)、菖蒲鳥(あやめどり)、妹背鳥(いもせどり)、早苗鳥(さなえどり)、橘鳥(たちばなどり)、魂迎え鳥(たまむかえどり)、夕影鳥(ゆうかげどり)、うない鳥、田長鳥(たおさどり)、死出の田長(しでのたおさ)など実に多くの異名、異称、別名、別称もあります。
ちなみに同じ名前の「ホトトギス」(杜鵑草)という花(植物)も存在します。花の紫色の斑点を鳥のホトトギスの胸や腹にある横斑に見立てたことに由来するといわれます。
●英名:Lesser Cuckoo
●学名:Cuculus poliocephalus
●漢字:杜鵑、鵑など多数
●分類:カッコウ目 カッコウ科