設立連載-2|社名・レーベル名の由来|「レストインレコーズ」に込めたもの

レストインレコーズの社名の由来についてお話します。「Rest in Peace」(Requiescat in Pace)という言葉はご存じでしょうか?「R.I.P.」または「RIP」と短縮形でしばしば使われる「安らかに眠れ」という意味の言葉です。「Rest in Records」はここから着想の一つを得ています。
 個人的に「R」から始まる言葉にこだわりと愛着を持っていること、そして前身となる音楽レーベル「ReAmbient Records」(リアンビエントレコーズ)の頭文字が「R」であることにも大きな関連性があります。
 もう一つ、私自身が創設メンバーとして1994年のマルチメディア/IT黎明期から絶え間なく心血を注いできた映像レーベル「シンフォレスト」(Synforest)の「レスト」にも由来します。
 さらに、「レストハウス」(Resthouse)等の言葉から連想できる通り、英語の「Rest In ~」には「~で休む」という意味があります。「Rest in Records」は「音楽で休む」、つまり音でリラックスしてほしい、癒やしを提供したい、という意味を込めています。
 まとめると、「R」から始まる名称にしたいなという発意のもと、下記の4つの意味が交錯、共鳴しあって生まれた言葉です。

  • Rest in Peace(レストインピース)
  • ReAmbient Records(リアンビエントレコーズ)
  • Synforest(シンフォレスト
  • Rest in ~(~で休む)
  •  こじつけのように感じるかもしれませんが、ここ数年来、思いついたらメモをした、たくさんの候補から絞り込み、何度も自分の中でこれでいいのかなぁと自問自答を繰り返す中で、確証を高めていった名称なのです。本当に。

     ここからは余聞です。
     「R.I.P.」は「安らかに眠れ」と訳される通り、訃報に際し使われ、欧米では墓碑に刻まれる言葉です。着想の一つとはいえ、正直、縁起が悪いと思われるかなぁとの懸念も少なからずありました。
     しかし一方で、自分自身のキャリアを俯瞰した場合、この「レストインレコーズ」でやろうとしていることは、その集大成であることに間違いありません。音楽や映像に関わる仕事を生業としてから約30年以上、広く深く取り組んできたスキルや知見、実績等を最大限に活かす受け皿として、言ってしまえば「レストインレコーズ」は墓碑に刻むような言葉なのです。
     んっ、ということはやっぱり縁起が悪い?! ― ― まぁ人によって死生観はさまざまですので、そう思う方もいらっしゃるとすれば仕方ありません。個人的には、少なくとも自分の人生においては、生死についてオブラートに包まず、常にしっかり向き合っていたいと考えているタイプなので、ある意味、ゴールを見据えた「レストインレコーズ」という言葉は「座右の銘」に近いくらい好都合な存在になります。
     「あれっ、あの会社名、レーベル名、何だったっけな?」と思い出せないとき、「R.I.P.」をきっかけにすると思い出しやすいかな、という狙いもあります…。

     それから折角なので記しておきたい意義が「Re」です。英語として昔からある言葉ではありますが、強く意識するようになったのはTwitter(ツイッター)の「リツイート」(ReTweet)です。初めてアカウントを作ったのは2010年ですが、積極的に活用するようになったは東日本大震災がきっかけで2011年頃からだと記憶しています。
     ひとまず一通りのものが一巡し成熟化したかのようにも見える近代社会において、「リミックス(ReMix)」「リユース(ReUse)」「リサイクル(ReCycle)」「リデュース(ReDuce)」「リペア(RePair)」等、再利用、再構築の視点は欠かせません。
     2015年に「ReAmbient Records」を立ち上げたとき、なぜ「ReAmbient」と命名したのか?
     自分のキャリアの根底にある「環境映像」「環境音楽」、日本では途中から「癒し系」とも称されるようになったリラクゼーション、ヒーリング分野は、ルーツを辿れば「アンビエント・ミュージック」(Ambient Music)に行き着きます。私自身、「ブライアン・イーノ」には強く影響を受け、憧れがありますし、その周辺に存在する「ピンク・フロイド」等のプログレ、「ポール・モーリア」等のムード・ミュージック、後継と考えられる「KLF」の「Chill Out」、「808ステイト」等々にたくさんのインスピレーションを受けてきました。
     そんな背景を考え、「ルーツである〝アンビエント〟を自分なりに再構築する」という発想のもと、「ReAmbient」(リアンビエント)という名称をつけました。
     必然を感じる偶然ながら、「リラクゼーション(Relaxation)」も「Re」から始まります。
     「R」のみならず、「Re」から綴られる言葉であることにも大きな意義があるのです…✍️