ハシビロコウとは?

解説
ハシビロコウは、その名の通り、コウノトリのような体形をした大型の鳥類です。最大の特徴は、和名や英名の由来にもなっている木靴のような巨大な嘴です。この嘴は先端が鋭い鉤状になっており、獲物を確実に捕らえるのに適しています。
【食性と狩りの行動】
主な獲物はハイギョ(肺魚)などの大型魚類ですが、ポリプテルス(古代魚の仲間)、カエル、小型のワニなどを捕食することもあります。狩りのスタイルは非常に独特で、獲物が水面に現れるまで数時間にわたって直立不動で待ち伏せを行います。この「動かない」性質は、エネルギー消費を抑えつつ、警戒心の強い獲物に気づかれにくくする、待ち伏せ型の捕食行動に適した習性です。
【繁殖と生態】
繁殖期には、湿地の草を積み上げて大きな巣を作ります。通常1〜2個(まれに3個)の卵を産みますが、多くの場合、最終的に育つ雛は1羽のみです。また、親鳥が嘴に水を含んで卵や雛にかけて温度調節を行う「給水行動」も知られています。
【コミュニケーション】
成鳥は鳴くことがほとんどありませんが、嘴を激しく叩き合わせて音を出すクラッタリング(Clattering)によって、求愛や縄張りの主張などのコミュニケーションを行います。これはコウノトリ科の鳥類にも見られる行動ですが、系統的には前述の通りペリカン類に近い特徴を多く持っています。
基本データ
- 和名:ハシビロコウ
- 学名:Balaeniceps rex
- 英名:Shoebill
- Whale-headed stork と呼ばれることもある
- 漢字表記:嘴広鸛
- 分類
- 綱:鳥綱 (Aves)
- 目:ペリカン目 (Pelecaniformes)
- 科:ハシビロコウ科 (Balaenicipitidae)
- 以前はコウノトリ目に分類されていたが、DNA分析などの分子系統学的研究により、現在はペリカンに近いグループ(ペリカン目)に分類されるのが一般的
- サイズ
- 全長:成体 約110〜140cm(翼開長は230〜260cmに達する)
- 体重:成体 約4.0〜7.0kg(オス:平均 約5.6kg / メス:平均 約4.9 kgと、オスの方がやや大型になる傾向)
- 分布
- アフリカ大陸の中部から東部(南スーダン、ウガンダ、タンザニア西部、ザンビア北部など)の淡水湿地帯
- 生息環境
- パピルスやアシ、水生植物が密生する広大な湿地や沼沢地
- 保全状況:IUCNレッドリスト:絶滅危惧II類(Vulnerable / VU)
- 生息地である湿地の減少、農地転用、狩猟、および家畜による環境攪乱が主な脅威となっている。ワシントン条約(CITES)附属書IIに掲載
- 補足・備考
- 「動かない鳥」(長時間ほとんど動かず待ち伏せする習性から、このように知られている)
- 表記揺れ等:はしびろこう、シュービル
動画
歌う動物図鑑
- ハシビロコウ クジラ頭の王様 / Utarium(ウタリウム)
Lyric Video
YouTube Music
歌詞

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